1 はじめに
死亡保険金の受取人が特定の相続人とされている場合、当該相続人は、遺産とは別に、死亡保険金を受領することができます。では、受取人について、誰か特定の相続人とされておらず、単に相続人と記載されている場合は、どのように考えるべきでしょうか。
2 最判平成6年7月18日
この事案では、法定相続人は、配偶者、兄弟姉妹9名の合計10名でした。そして、死亡保険契約の申込書の死亡保険金受取人欄に受取人の記入はされていませんでしたが、同欄には「相続人となる場合は記入不要です」との注記がされていました。死亡保険金は1000万円でした。
最高裁判所は、「保険契約において、保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合は、特段の事情のない限り、右指定には、相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定も含まれているものと解するのが相当である。」と一般論を述べました。
その上で、受取人については、「・・・Aは右注記に従って保険金受取人の記載を省略したものと推認するのが経験則上合理的であり、したがって、Aは本件契約に基づく死亡保険金の受取人を「相続人」と指定したものというべきである。」と判断しました。
したがって、配偶者は、1000万円の4分の3である750万円に相当する死亡保険金を受け取ることができることになりました。
