1 はじめに
サラリーマンの方が住宅ローンでマンションを購入した場合において、マンションを残すため、住宅資金特別条項をつけて個人再生を申し立てることがあります。その際、住宅ローンの未払いはないものの、固定資産税の支払いを怠っていたため、マンションの持分に公租公課庁による差押登記がなされるなど滞納処分が行われた場合、個人再生の手続はどのようになるのでしょうか。
2 原則として再生計画は不認可
民事再生法202条2項3号は、再生計画の不認可事由として、「再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれるとき。」と定めています。滞納処分がなされている場合、実際に公売となれば、最終的にマンションを手放さなければいけないことになりますので、不認可事由に該当し、再生計画は認可されないことが原則となります。
3 不認可を防ぐための方法
以上のとおり、マンションに滞納処分がなされているにもかかわらず放置して個人再生を申し立てたとしても、再生計画は不認可となってしまいます。そこで、不認可を防ぐためには、一番簡単な方法として、滞納している公租公課を支払い、滞納状態を解消することです。もっとも、滞納額が多額な場合、一括で弁済できるほどの資力がない、あるいは親族の援助が受けられない等の理由により、滞納状態を解消することは困難となります。
そこで、第2の方法として、公租公課庁と分納に関する協議を行い、まとまった分納案を申立時に裁判所に提出することです。分納の協議が成立したということは、公租公課庁は約定どおり分納を継続する限り公売の手続に進むことはありませんので、裁判所としては、不認可事由は存在しないと判断することになります。
