1 はじめに
例えば、相続人が母、子3人の事案の場合において、母の法定相続分は2分の1、子3人はそれぞれ6分の1となります。この場合、母が寄与分を主張する場合と子が主張する場合とで、寄与分の判断に違いが生じるものなのでしょうか。夫婦は相互に協力扶助義務を負っている(民法752条)ので、通常期待される程度の貢献は法定相続分で評価し尽くされているとも考えられるので、問題となります。
2 配偶者の寄与分
この点について、「法定相続分が他の相続人よりも大きい配偶者については、一般的に、通常期待される程度も高いといえ、特別の寄与があると認めるのは、より特別な事情なければなりません。」とし、配偶者の寄与分の判断を厳しくみる考え方があります(「Q&A 遺産分割事件の手引き」303頁以下、山城司裁判官)。
この考え方によれば、配偶者は、寄与分を主張する際、「より特別な事情」の存在を主張しなければいけないことになります。
