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コラム:配偶者短期居住権

2026.07.25
1 要件

配偶者短期居住権の成立要件は、①被相続人の財産に属した建物であること(民法1037条1項本文)、②相続開始の時に無償で居住していたこと(同左)、③相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得していないこと(民法1037条1項但書)になります。

2 効果

当該配偶者は、居住建物の所有権を相続又は遺贈により取得した者に対し、一定期間、居住建物について無償で使用する権利を有することになります(民法1037条1項本文)。

3 最判平成8年12月17日との関係

上記判例は、「共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右同居の相続人との間において、被相続人が死亡し相続が開始した後も、遺産分割により右建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は、引き続き右同居の相続人にこれを無償で使用させる旨の合意があったものと推認されるのであって、被相続人が死亡した場合は、この時から少なくとも遺産分割終了までの間は、被相続人の地位を承継した他の相続人等が貸主となり、右同居の相続人を借主とする右建物の使用貸借契約関係が存続することになるものというべきである。」と述べています。

この判例によれば、配偶者が被相続人の許諾を得て無償で建物に居住している場合は、少なくとも遺産分割終了までの間、同建物を使用貸借することができることになります。もっとも、例えば、被相続人が同居の配偶者が占有している建物を他の相続人に遺贈する旨の遺言をしている場合、特段の事情に当たるとして、使用貸借が認められない可能性が出てきます。

これでは配偶者の保護に欠けるという指摘がありました。そこで、平成30年相続法改正においては、新たに配偶者短期居住権という制度を設けることになりました。これにより、配偶者は、被相続人の意思に関わりなく、引き続き一定期間、住み慣れた建物に無償で居住し続けることができるようになりました。

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