1 はじめに
公務員が共済組合から借りて給与天引されている場合、個人再生の手続開始決定時まで給与天引さストップされないことがほとんどと言われています。この場合の清算価値と取り扱いについて説明します。
2 個人再生は否認権が適用されない
通常再生の場合、否認権行使は監督委員または管財人が行使することとされています。もっとも、その特則である個人再生手続きにおいては、簡易・迅速な手続きが前提となっているので、否認権の規定は適用されません。
3 最判平成2年7月19日
では、破産手続では給料天引分についてどのように取り扱われるのでしょうか。
給与支給機関が、地方公務員等共済組合法115条2項に基づき、地方公務員共済組合の組合員である地方公務員の給与から未返済の貸付金に相当する金額を控除してこれを右組合に払い込む行為は否認の対象となると判断しました。
4 清算価値参入
以上のとおり、個人再生の場合は否認権の規定が適用されないため、再生債務者が自ら債権者の一部に対して弁済した場合、その弁済額は清算価値に参入されることになります。その上で、破産では最判平成2年7月19日があるため、受任通知後、開始決定までの給料天引分は清算価値に参入されることになります。
