1 はじめに
マンション管理費や修繕積立金を滞納している場合、住宅資金特別条項付きの個人再生はできないとされています。
2 その理由
民事再生法198条1項但書によれば、「住宅の上に第五十三条第一項に規定する担保権・・が存するとき」は住宅資金特別条項を定めることはできないとされています。
ここで、民事再生法53条1項に規定する担保権とは、「再生手続開始の時において再生債務者の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。)」のことをいいます。
また、建物の区分所有等に関する法律7条1項によれば、「管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権」について、「債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。」と定められています。
このように、マンション管理組合は、マンション管理費や修繕積立金を滞納している区分所有者に対して先取特権を有することになります。そうすると、この先取特権は民事再生法53条1項の「特別の先取特権」に当たるため、民事再生法198条1項但書の「住宅の上に第五十三条第一項に規定する担保権・・が存するとき」に該当することになるので、住宅資金特別条項を定めることはできないことになります。
3 解消方法について
そこで、再生債務者としては、開始決定前までにマンション管理費や修繕積立金の滞納分を完済する必要があります。
また、開始決定後であっても、付議決定前までに滞納分を完済すれば住宅資金特別条項を利用することができます。もっとも、管理費や修繕積立金は別除権付きの再生債権に該当するため、再生債務者が自身の出捐により弁済することはできません。そこで、親族などによる第三者弁済を行う必要があります。
