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コラム:相隣関係の見直し~越境した竹木の枝の切取り

2024.08.01
1 はじめに

改正法では相隣関係の見直しが行われ、その一つとして越境した竹木の枝の切取りに関する規定が改正されることになりました。

 

2 改正の内容

越境した枝を切除した場合は竹木に影響を与えることになります。そこで、越境された土地の所有者は、「・・その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。」とされました(民法233条第1項)。これは現行民法の規律が維持したかたちとなります。

もっとも、竹木の所有者にその枝を切除させることが期待できない場合、具体的には以下の3のいずれかに該当する場合、「土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。」とされました(同条第3項)。
・「竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。」(1号)
・「竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。」(2号)
・「急迫の事情があるとき。」(3号)

なお、改正法では、越境された土地の所有者が枝を切除した場合の費用負担に関する定めを設けていません。竹木の所有者が本来であれば枝を切除しなければならないこと、そのため本来負担すべき費用を支払いを免れていることからして、越境された土地の所有者は、竹木の所有者に対し、不当利得返還請求又は不法行為に基づく損害賠償請求に基づき、枝の切り取り費用の支払いを求めることができます。

また、越境された土地の所有者は、切り取った枝の所有権を取得することになるので、自由に処分することができます。

 

3 竹木の共有者が越境した枝を切り取る場合

改正法では、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合において、「竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。」とされました(233条2項)。

現行法では、竹木が共有の場合、その枝を切る行為は処分行為に該当するので、共有者全員の同意がなければ枝を切ることができないと解する余地がありました。これにより共有者全員の同意を得るまでに枝の越境状態が長期にわたり継続するなど不具合が生じていたので、改正法では、越境状態を円滑に解消することができるよう各共有者が枝を切ることができるとされました。

 

4 最後に

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