1 はじめに
申立人本人名義の生命保険があり、解約返戻金が高額だったとします。申立人が自己破産をする場合はその生命保険は破産財団となりえますし、個人再生の場合は解約返戻金相当額が清算価値に上乗せされることになります。
もっとも、その生命保険の保険料を申立人の父が契約当初から継続して払っていたとします。この場合、その生命保険が申立人の父の保険と認定されることになれば、自己破産の場合は破産財団にならないことになりますし、個人再生の場合は解約返戻金相当額が清算価値に上乗せされないことになります。
そこで、どのような事情があれば申立人以外の者の保険と認定されるのかについて説明していきます。
2 考慮要素
以下の要素を総合考慮することになります。なお、実際に保険料を拠出しているのが本人であれば、本人以外の保険であると認定することはおよそできません。
①実際に保険料を拠出しているのが誰か。
②本人が税務申告の際の所得金額の計上のときに生命保険を控除しているか。
③本人が契約者貸付を受けているか。
④申立前の段階で特約なども含め保険金が給付された時にこれを誰が受領しているか。
3 最後に
以上、第三者出捐の保険の取り扱いについて説明しました。破産、個人再生について一般的なことは関連記事で説明しておりますので、併せてご確認下さい。
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