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コラム:同居の親族による援助と再生計画案

2023.12.27
1 はじめに

個人再生手続の場合、再生債務者は、最低弁済額と清算価値とを比較していずれか高い金額を、原則3年、例外として最長5年で返済しなければなりません(個人再生の一般的なことは関連記事をご参照ください)。

中には再生債務者の収入だけでは弁済できない場合もありますが、同居している親族の収入を加算すれば弁済できる場合もあります。

そこで、再生計画案の履行可能性の判断において、再生債務者のみならず同居の親族の収入を考慮して再生計画案を作成することが認められるのかについて説明していきます。

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2 親族の収入を考慮することはできる

まず、弁済資金の調達原資が再生債務者以外の者であることによって再生債権者の権利が害されるとは考えられないので、再生計画案の履行可能性の判断において、再生債務者のみならず同居の親族の収入を考慮することが認められるとされています(個人再生の手引第2版347頁)。

もっとも、親族が再生計画案の履行に途中から協力しなくなることも考えられるので、再生計画案の履行可能性の判断は通常よりも慎重になされるべきとされています(同347頁)

そこで、再生債務者としては、親族の援助が継続的に得られることを明らかにするため、当該親族の年齢が分かる書類、具体的には住民票、会社勤めの場合は定年の記載がある就業規則を提出すること必要があります。

また、将来的に必要額を世帯収入に組み入れる見込みを明らかにするため、親族の陳述書、従前の組入れ額が分かる資料等を提出することが必要となります(同348頁)。

 

3 最後に

以上、同居の親族による援助と再生計画案について説明しました。個人再生手続の流れについては関連記事もご参照ください。

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