1 はじめに
自損事故を起こして、傷害を負ったり、後遺障害が残ってしまった場合、人身傷害保険に入っていれば、自身の保険会社から保険金を受け取ることができます。
通常、相手方のいる交通事故では相手方の保険会社が提示した損害賠償額が妥当か否か問題となります。自損事故の場合についても、自身の保険会社が提示した保険金額が必ずしも妥当ではなく、弁護士が介入することにより保険金が増額するケースがあります。
2 増額する場合
後遺障害が認められた場合、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益に相当する保険金が支払われることになります。
後遺障害慰謝料は保険会社の約款で等級ごとに決まっているので、増額の余地はまずありません。他方で、後遺障害逸失利益は、労働能力喪失率、労働能力喪失期間については、約款上、諸事情を考慮して判断すると定められているので、交渉によって増額の余地が大いにあります。
例えば、むちうちの場合、保険会社は、後遺障害14級がついたケースにおいて、労働能力喪失期間を3年で計算してくることがあります。しかし、裁判実務上は、5年で計算されることが多いので、弁護士が適切に介入することにより、3年から5年に変更されることがあります。
3 過去に扱ったケース
単独事故を起こし、外貌醜状の後遺障害逸失利益が争点となった事件を紹介します。
まず、顔面部の線状痕の場合、長さによって後遺障害の該当/非該当、等級が変わってきます。そのため、顔面部の線状痕を正確に測定するためには、糸を使って計測することが重要です。そこで、依頼者が主治医に後遺障害診断書を作成してもらうに際しては、糸を使って測定してもらうよう予め説明しました。これにより12級が認められることになりました。
また、後遺障害逸失利益については、労働能力喪失期間、労働能力喪失率について、同種の裁判例を多数引用し、保険会社と交渉しました。そうしたところ、弁護士介入前の金額よりも大幅に増額することになりました。
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4 最後に
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