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コラム:死亡事故と葬儀費用

2024.01.05
1 はじめに

交通事故により被害者が亡くなった場合、その相続人は加害者に対し葬儀関係費用を請求することができます。そこで以下では葬儀関係費用について説明していきます。

 

2 葬儀関係費用として認められるもの

葬儀それ自体に要した費用、供養料(法要費用)、過去帳代、お布施代墓碑建立費(墓石及び工事費用)、墓地購入費、仏壇購入費、位牌購入費とされています。

これに対し、香典返しは損害として認められません。

 

3 葬儀費用が制限される理由
1 赤い本

原則として150万円とされています。ただし、実際にかかった費用が150万円を下回る場合、実際に支出した金額となります。

 

2 制限の理由

まず、人は遅かれ早かれ死ぬので、その遺族はいずれ葬儀関係費用の支出を負担することになります。そうであれば、交通事故と葬儀費用の支出との間には相当因果関係がないのではないか、という問題があります。

また、「墓石建立費用を含む葬儀関係費用にどの程度の支出をするかは、故人及び遺族らの価値観や経済的等に大きく左右されること」という問題もあります(京都地裁令和4年6月16日、自動車保険ジャーナル2132号掲載)。

そこで、葬儀にかかった費用すべてを加害者に賠償させるのは不適当であり、一定の限度で制限するべきであると考えられています。

 

4 150万円をこえる葬儀関係費用を認めた裁判例

被害者が若年で、会葬者が多数であった場合、基準額を超える葬儀関係費用の賠償を認めた裁判例があります。

例えば、神戸地判令和3年3月1日は、被害者は事故当時大学3年生であり、葬儀には約700人もの参列者がいたという事実を認定し、葬儀関係費用459万0370円を損害として認めました。

 

5 最後に

弁護士費用特約に入っている場合、ご自身の保険会社が弁護士費用を負担することになるため、弁護士費用を心配することなく弁護士に交渉等を依頼することができます(関連記事をご参照ください)。のむら総合法律事務所にお気軽にご相談ください。

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