1 はじめに
破産を考えている方が確定拠出年金を有しており、破産手続開始決定時点の残高が約1000万円と見込まれるとします。この場合、退職金と同様、一定額を超える部分は破産財団に組み入れる必要があるのかが問題となります。
2 退職金の場合
退職金の場合、原則として評価額の8分の1、退職直前の場合は4分1の相当額が99万円を超える場合、超過分を破産財団に組み入れなければいけないとされています。
3 確定拠出年金
確定拠出年金も実質的には退職金的な性質を持つので、退職金と同様の処理がなされるとも考えられるところです。
しかし、確定拠出年金の年金受給権は、確定拠出年金法32条1項により、特別法上の差押禁止債権となっているので、本来的な自由財産となります。よって、500万円の8分の1相当額は125万円となりますが、そうだとしても99万円の超過分を破産財団に組み入れなくてもよいということになります。
なお、自由財産拡張の場面においては総額99万円基準が存在するため、自由財産拡張の判断に際して、本来的自由財産である確定拠出年金の額が拡張が認められる他の財産の額に影響を及ぼすことになると解されています。
