1 はじめに
破産する法人が雇用する労働者を解雇する場合であっても、労働者基準法19条の解雇制限が適用されることになります。
2 労働基準法の規律
労働者基準法19条1項は「使用者は、・・・産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、・・・天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。」と定めています。
また、同法65条1項は「使用者は、六週間・・・以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。」とし、2項は「使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。」と定めています。
そして、「その他やむを得ない事由」は、天災事変と同程度に不可抗力かつ突発的な事由であり、事業の経営者として必要な措置を講じても改善できない状況にある場合と解されています(通達)。したがって、「その他やむを得ない事由」には破産することは含まれないと解されます。
このように、破産する法人が産休中の労働者を解雇する場合、最大では、産前の6週間+産後8週間+30日=128日(4ヶ月半弱)を経過した後でなければ解雇することはできません。
この解雇制限に反した場合、「六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金」に処せられることになります。
