1 失業保険を不正受給した場合
失業保険を受給している者がアルバイト・パートで働いたのに申告しない場合、不正受給となります。
この場合、「・・・政府は、その者に対して、支給した失業等給付の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、・・・当該偽りその他不正の行為により支給を受けた失業等給付の額の二倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。」とされています(雇用保険法10条の4第1項)。
つまり、失業保険の不正受給をした場合、受給者は、不正受給額のみならず、最大、不正受給額の2倍をも納付する必要があります。
2 非免責債権該当性
では、失業保険を不正受給した破産者が破産した場合、上記の返還義務を免れることはできるのでしょうか。失業保険金の返還請求権が「租税等の請求権」(破産法253条1項4号)にあたり、非免責債権となるかが問題となります。
まず、破産法97条4号は、「租税等の請求権」は、「国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権」と定義づけています。
また、雇用保険法10条の4第3項では、返還命令の徴収について、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」27条を準用しています。
そして、同法27条3項は、「第一項の規定による督促を受けた者が、その指定の期限までに、労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しないときは、政府は、国税滞納処分の例によつて、これを処分する」としています。
このように、失業保険金の返還請求権は、「租税等の請求権」に該当するので、非免責債権になります。
