1 離婚届出
改正前の民法では、離婚届を提出する時点で親権者を定めていない場合、離婚届は受理されないと定められていました。しかし、例えば夫から家庭内暴力を受けていた妻が早期の離婚を求めて、熟慮せずに親権者を定めて離婚届を提出することがあり、結果として子の利益を害することになり問題視されていました。そこで、改正法では、「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立て」がなされていれば、離婚届が受理されることになりました(765条1項2号)。
そこで、例えば妻側は親権者指定を求める調停又は審判を申し立てを行い、家庭裁判所から調停等が係属している旨を証する書面を発行してもらい、それを役所に提出することになります。そして、後日、妻は、新たに取得した戸籍など離婚を証する書面を家庭裁判所へ提出することになります。
2 取下げ制限
先の例で親権者指定の調停等を申し立てた妻が離婚届が受理された後に上記調停等の取下げを行うことは、家庭裁判所の許可がない限りできないとされています(家事事件手続法169条の2)。仮に妻側の取下げを無制限に認めてしまうと、離婚が成立したものの親権者が決まらない状態が続いてしまうからです。
3 離婚を証する文書の提出命令
先の例で親権者指定の調停等を申し立てた妻が、離婚を証する書面を家庭裁判所に提出しない場合も想定されます。そこで、家庭裁判所が妻に対して相当期間内に上記書面を提出するよう求め、妻がそれに応じない場合、家庭裁判所は親権者指定の調停等を取り下げたものとみなすことができます(家事事件手続法169条の3)。
