1 はじめに
再生債務者が、受任通知発送後(支払停止後)、個人などから新たに借金をすることは可能ではありますが、以下のとおり2つのリスクがあるので、結論としては控えなければいけないことになります。
2 申立棄却のリスク
「不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき」は申立てが棄却となります(民事再生法25条4号)。受任通知発送後の新たな借入れが発覚した場合、裁判所は個人再生の申立てについて「不当な目的」である、又は「誠実になされたものではない」として、棄却する可能性があります。
3 非減免債権となるリスク
「再生債務者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」は非減免債権になります(民事再生法229条3項1号)。受任通知後に新たなに借りた場合、貸主の借主に対する債権は非減免債権となる可能性があります。そすうると、例えば、当該債権が150万円の場合、再生債務者は、再生計画案に基づきその5分の1を払い終えた後、残り120万円を返済しなければいけなくなります。
