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コラム:民事訴訟と当事者(証人)尋問

2025.12.26
1 はじめに

民事訴訟では、和解の話がまとまらない場合、判決の前、当事者や証人の尋問が行われることがあります。以下では、尋問の際の留意点や手続の流れなどについて説明していきます。

 

2 当日の持ち物

印鑑(認め印でもよい)を持参する必要あります。これは、法廷に出頭した際、裁判所書記官から、「出頭カード」、「宣誓書」に必要事項を記載し、署名・押印することが求められるので、この時、印鑑を使用します。なお、印鑑を忘れたとしても手続上問題ありませんが、左手人差し指に黒インクをつけて押印することになります。

 

3 手続の流れ

当事者や証人は、尋問を始めるに先立って、裁判官から、真実を述べること・うそを述べないことなどの宣誓を求められます。指定された場所で起立して、裁判所書記官から渡された宣誓書を手に持って読み上げることになります。

ケースバイケースですが、他の当事者・証人と同時に宣誓することを求められることがあります。その場合には、他の人と声を揃えて宣誓書を読み上げ、最後に、指示された順番に従って自分の名前を読み上げることになります。

宣誓が行われている間は、裁判官や当事者双方の代理人弁護士、傍聴人なども起立することが通常です。

宣誓が終わった後、裁判官は、当時者本人・証人に対して、尋問開始に先立って注意事項の告知等を行います。

当事者や証人は、宣誓後、裁判官の前の前に位置するイスに座って、それから質疑を行うことになります。主尋問、反対尋問、補充尋問の順に尋問が行われることになります。

なお、「宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。」とされています(民事訴訟法209条1項)。

また、証人については、「法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。」とされています(刑法169条)。ここでいう「虚偽の陳述」とは、記憶に反する証言の事を言います。

 

4 尋問の際の注意点

尋問中、質問に対し、メモを見ることはできません。民事訴訟法203条、210条によれば、「証人は、書類に基づいて陳述することができない。ただし、裁判長の許可を受けたときは、この限りでない。」とされているからです。

正面を向いて堂々と発言することが大切です。裁判所は、発言内容だけでなく、供述態度(表情など)を見ているからです。

質問の途中で回答しないようにしなければいけません。というのも、質問、回答は、全て録音されています。後日、反訳されます。そのため、質問の言葉と回答の言葉が重なってしまうと反訳ができなくなるからです。

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