1 はじめに
期間の定めがない雇用契約について労働者側からの解約申入れについて説明します。
2 民法の規律
法律上、期間の定めがない雇用契約の場合、労働者は、雇用主に対し、いつでも雇用契約の解約を申し入れることができます。そして、当該雇用契約は、その申入れの日から2週間の経過により当然に終了します(民法627条1項)。
したがって、例えば、5月8日、雇用契約の解約の申入れを行った場合、5月22日の経過により退職の効力が生じることになります(初日不算入、民法140条)。
3 退職願を提出した場合
退職届ではなく退職願を提出した場合であっても、当該退職願には雇用契約終了の意思表示が含まれているため、解約の申入れとして有効と解されています。
4 退職を希望する場合は1か月前までに申し出る必要がある旨の定めがある場合
たとえば労働者が退職を希望する場合は1か月前までに申し出る必要があるといった労働条件通知書の記載がったり、あるいは労使の合意がなければ退職できないといった就業規則の条項がったとします。
しかし、これらはいずれも無効になると考えられます。なぜなら、民法627条1項は労働者の退職の自由(憲法22条1項)を保障する強行法規と解されているので、解約予告期間を延長するなど労働者に不利な定めは無効だからです。
5 最後に
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