TOPICS

コラム:所在等不明共有者がいる場合の共有物の変更・管理など

2024.03.07
1 はじめに

所在等不明共有者がいる場合の共有物の変更・管理(民法251条2項、252条2項1号)について説明していきます。

 

2 趣旨

共有者が「他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない」場合、共有物の変更ができない、あるいは共有物の管理をすることができないことにより、共有物の使用を妨げられることになります。この場合、共有者は、現行法の下において、他の共有者の不在者財産管理人との間で共有物の変更などを行うことができます。しかし、不在者財産管理人選任のための費用は共有者が負担することになるなどの問題がありました。そこで、新法では、裁判所は、共有者の請求により、「当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判」(民法251条2項)や、「当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判」(民法252条2項1号)をすることができることになりました。

 

3 裁判の効果

共有者が実際に共有物の変更をするためには、共有者全員の同意が必要となります。同様に、共有者が実際に共有物の管理に関する事項を実施するためには、共有者の持分価格の過半数により決することが必要となります。

 

4 補論・賛否不明共有者がいる場合の共有物の管理

共有者の中には、共有物の管理に関する事項の決定について無関心となり、他の共有者に対し明確な返答をしない者がいます。このような共有者がいる場合、他の共有者は、共有物を使用することが妨げられることになります。そこで、裁判所は、「共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしない」場合、「当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判」をすることができることになりました(民法252条2項2号)。

無料相談

無料相談

078-361-3370

078-361-3370

お問い合わせ

お問い合わせ