1 事案の概要
一人暮らしの50代の男性からのご依頼で、計10社ほどから借りた約500万円の負債について自己破産の申立てを行った事案になります。
2 相談の経緯
依頼者は病気がちのため仕事を休むことがあり、収入が少ない月に借入れをしていました。年々、雪だるま式に負債が膨らんだため、毎月の返済額が高額となったため、支払いを継続することができなくなり、自己破産の手続を希望されました。
3 弁護士の活動
弁護士が依頼者からお預かりした1年分の通帳を確認したところ、競馬などのギャンブルをしていたことが判明しました。収入額と比べて費消額が多かったので、免責不許可事由の「浪費」に該当する見込みでした。
このように本件は、同時廃止事件として申し立てたとしても、免責調査型の管財事件に移行する可能性がありました。そのため、弁護士は、裁判所に同時廃止事件として処理をしてもらうため、家計収支表を丁寧につけるなどして、家計管理を見直したことについての上申書を作成して、裁判所に提出しました。
裁判所も、本件は管財事件に移行したとしてもおかしくない事案であるとの認識であり、引き続き2ヶ月間の家計収支表を提出するよう求められました。弁護士は、依頼者と何度も打合せを行い指示どおり家計収支表を提出ました。
4 結果
無事、同時廃事件として処理されることになり、免責決定も得ることができました。これにより、依頼者は約500万円の返済を免れることができました。
5 弁護士のコメント
管財事件に移行した場合、破産予納金として約20万円を追加で裁判所に納める必要があります。また、管財人との面談をしなければいけない、裁判所に少なくとも1回は出頭しなければいけないなど大変です。今回は、管財人が就いた場合にどのようなことを求められるのかということを想像して、前倒しで家計収支表を作るなどした結果、無事、同時廃止事件として処理されることになりました。
参考記事▶自己破産