1 はじめに
個人再生の場合、住宅資金特別条項(民事再生法196条4号)を設けることにより、ローンで購入した住宅を手放すことなく住み続けることができます。
ところで、住宅資金貸付債権とは、「住宅の建設若しくは購入に必要な資金・・又は住宅の改良に必要な資金の貸付けに係る分割払の定めのある再生債権であって、当該債権又は当該債権に係る債務の保証人(保証を業とする者に限る。以下「保証会社」という。)の主たる債務者に対する求償権を担保するための抵当権が住宅に設定されているもの」(民事再生法196条3号)をいいます。
ここでいう「抵当権」には根抵当権も含まれることになります。もっとも、根抵当権の場合、次のような問題点があります。
2 問題点
根抵当権の場合、被担保債権に、住宅購入等資金以外の貸付債権だけでなく、事業用資金などの貸付債権が含まれている場合があります。この場合、住宅資金特別条項を使うことができない可能性があります。
もっとも、申立時には登記事項証明書を必ず提出しなければいけませんが、それだけでは、被担保債権が住宅資金貸付債権のみであることは明らかになりません。
3 提出書類
そこで、このような場合、被担保債権は住宅資金貸付債権のみであることの証明書を銀行など住宅ローン債権者に発行してもらい、同書を裁判所に提出することになります。
これにより、被担保債権が住宅資金貸付債権のみであることが明らかになり、住宅資金特別条項をつけることができることになります。
4 最後に
以上、個人再生における住宅資金特別条項と根抵当について説明しました。個人再生手続について一般的な説明は下記の記事をご確認ください。
✔個人再生手続についての一般的な説明記事はこちら▶個人再生