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コラム:個人再生と124条2項の財産目録・125条1項の報告書

2024.06.30
1 はじめに

個人再生の場合、通常再生と同様、手続開始決定後、法124条2項の財産目録、法125条1項の報告書を提出しなければなりません。

もっとも、個人再生手続は、通常再生よりも手続を簡素化した手続であるため、法律上も、運用上も、財産目録や報告書の提出が簡素化されています。

以下で、まずは法律上の立て付けを説明した上で、運用を説明していきます。

 

2 法124条2項の財産目録

民事再生法124条2項は「再生債務者等は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに再生手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。」と定めています。

また、同法228条は「小規模個人再生においては、再生債務者は、第百二十四条第二項の規定による貸借対照表の作成及び提出をすることを要しない。」と定めています。

さらに、民事再生規則128条は、「法第百二十四条(財産の価額の評定等)第二項の規定により提出すべき財産目録には、第十四条(再生手続開始の申立書の添付書面)第一項第四号の規定により提出された財産目録の記載を引用することができる。

このように、個人再生においては、再生債務者は、開始決定後、財産目録のみを提出すれば足ります。また、その際、申立時に提出した財産目録の記載を引用することも可能です。

これは、個人再生の手続を簡素化させる要請がありますし、個人再生の場合は申立てから開始決定までの間に清算価値が大きく変動することは通常想定しがたいためです。

 

3 法125条1項の報告書

民事再生法125条1項によれば、「再生債務者等は、再生手続開始後・・・遅滞なく、次の事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。」と定めています。

再生手続開始に至った事情
②再生債務者の業務及び財産に関する経過及び現状
第百四十二条第一項の規定による保全処分又は第百四十三条第一項の規定による査定の裁判を必要とする事情の有無
その他再生手続に関し必要な事項

3号は「第三節 法人の役員の責任の追及」の中の規定のため、個人再生手続には適用されません。

 

4 神戸地裁の運用

神戸地裁の申立書には、「民事再生法124条2項の財産目録及び125条1項の報告書としては、添付の財産目録等を援用することとする(ただし、開始決定までにこれらの記載内容に変動があった場合には、改めて提出する)」という文言がデフォルトで記載されています。

すなわち、申立時には財産目録と陳述書を提出することになっているところ、これらの書面を提出すれば民事再生法124条2項の財産目録及び125条1項の報告書を提出したものと取り扱うことを原則的な運用とし、例外として申立時から開始決定時までに事情変更があった場合は手続開始後に提出をすることになっています。

実際上、最低弁済額>清算価値のケースが圧倒的に多いこと、申立時から開始決定時までの期間は比較的短いことから、開始決定後に追加で提出することは滅多にありません。

 

5 最後に

以上、個人再生と124条2項の財産目録・125条1項の報告書について説明しました。個人再生手続について一般的な説明は下記の記事をご確認ください。

✔個人再生手続についての一般的な説明記事はこちら▶個人再生

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