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コラム:保険の契約者貸付と債務整理

2024.02.22
1 「契約者貸付」と債務整理

保険の「契約者貸付」は、借金なのでしょうか。
「契約者貸付」とは、保険契約者等が保険の解約返還金の払戻しを受ける制度です。
「貸付」という名称から借金を連想しますが、基本的には借金とは扱われません。契約者貸付は、法律上、解約返戻金の前払いと考えられているからです(最高裁平成9年4月24日判決 判例タイムズ941号69頁参照)。そのため、債務整理の際に、契約者貸付けを発見しても、保険会社には受任通を送りませんし、債権者一覧表にも記載しません。契約者貸付がある場合には、見込額から貸付金額等を控除した金額が当該保険の評価額となります。

 

2 保険と疎明資料

自己破産や個人再生の申立にあたり、保険に加入している場合には、保険証書等の疎明資料を裁判所に提出します。その際、掛け捨てであることが解約返戻金が明らかなケースを除いて、保険証書だけでは足りず、解約返戻金証明書を提出する必要があります。これは、保険は解約返戻金の金額が債務整理の様々な場面で問題となるからです。

自己破産では、保険・共済の解約返戻金の合計額が20万円以上の場合、それだけで管財事件となる可能性があります(神戸地裁)。管財事件にするか、同時廃止事件にするか、その判断のために解約返戻金証明書が必要となります。個人再生の場合でも、解約返戻金証明書は、最低弁済額につき清算価値を基準とするか検討する際に必要となります。

解約返戻金証明書は、特に理由を説明しなくても、保険会社に発行してもらうことができます。解約返戻金証明書は取得に時間を要するので、早めに保険会社に電話して準備をしておきましょう。

 

3 最後に

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