1 はじめに
破産手続申立てを行う場合、破産予納金を準備する必要がありますが、破産者が自ら破産予納金を準備することができない場合、破産者の親族などの第三者に破産予納金を準備してもらうことがあります。このような親族など第三者予納の取扱いについて説明していきます。
2 第三者の予納金償還請求権の優先順位
破産法148条1項1号では、「破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権」は財団債権とされています。
そして、「破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合」(破産法152条1項)、破産法148条1項1号の財団債権は、「他の財団債権に先立って、弁済する。」とされています(破産法152条1項)
第三者の予納金償還請求権は、破産法148条1項1号の財団債権に該当します。したがって、第三者予納をした親族等は、他の財団債権に先立って、具体的には破産管財人の報酬金の次に弁済を受けることになります。
3 裁判所の第三者予納許可決定
「債務者と第三者が通謀して債務者の財産から支出するのに第三者名義で予納を申し出ている場合も考えられるため、第三者が予納することについての許可申請を求める運用がある。」とされています(「破産事件における書記官事務の研究」)。
大阪地裁管内の場合、破産申立代理人において、第三者が予納することについて許可申請を行い(第三者予納の書式は「破産事件における書記官事務の研究」17頁参照)、裁判所の許可決定を得ることになります。
4 最後に
以上、親族による第三者予納について説明しました。自己破産については関連記事をご確認ください。
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