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コラム:高齢家事従事者と休業損害

2023.12.24
1 高齢の専業主婦の基礎収入
1 専業主婦の場合

専業主婦の基礎収入は、事故発生時の賃金センサスの女性の学歴計・全年齢になります。

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2 高齢の専業主婦の場合

高齢(65歳以上)の専業主婦の基礎収入は、賃金センサスの女性・年齢別で計算するのが原則です。高齢者の場合、世話をする必要のある子どもなどがいなくなるため家事労働の内容が軽減されるためです。

もっとも、例外として、高齢者であっても、家族構成や、家族の健康状態によっては、賃金センサスの女性の学歴計・全年齢で計算されることがあります。

 

2 東京地判令和3年12月24日(自動車保険ジャーナル2113号掲載)
1 はじめに

89歳女性の専業主婦の基礎収入額が問題となりました。

 

2 基礎収入額

裁判所は、被害者は89歳と高齢であること、同居していた息子は家事を自分でしていたことを考慮し、基礎収入を年額60万円としました。

「証拠(甲21、証人H)によれば、本件事故当時、原告は二男と同居していたが、二男は、平成26年9月に退職し、本件事故当時、再就職先を探しており、原告は二男の食事を作っていたものの、二男は洗濯や掃除は自分でしていたことが認められる。このような原告と二男の生活状況のほか、本件事故当時の原告の年齢(89歳)、平成27年賃金センサス女性年齢別平均賃金70歳以上が319万7900円、同65歳から69歳が309万4900円であることに鑑みれば、原告の本件事故当時の家事労働を金銭的に評価すれば、年額60万円程度と評価するのが相当であり、日額は1643円(600、000÷365)である。」

 

3 休業日数及び休業割合

休業日数及び休業割合については、入院期間174日は休業率100%とし、通院期間270日間は休業率30%との範囲で休業したと認めました。通院期間分については退院後もリハビリを継続していたことが考慮されました。

 

3 最後に

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