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コラム:破産手続と租税等について

2024.02.06
1 はじめに

破産者が不動産(オーバーローン含む)や自動車(所有権留保なし)を所有しているケースがあります。この場合、不動産については固定資産税・都市計画税、自動車については自動車税が発生していることになります。そこで、処理がそれぞれ問題となります。

以下では、破産手続における、固定資産税・都市計画税、自動車税の取り扱いについて説明していきます。

 

2 固定資産税・都市計画税
1 納付義務者

固定資産税・都市計計画税は、毎年1月1日現在の所有名義人が納税義務を負います(地方税法343条、359条)。

都市計画税の賦課徴収は、固定資産税の賦課徴収と併せて行われます(地方税法702条の6~8)。

 

2 破産手続上の扱い

具体的納期限から破産手続開始決定日まで1年以上経過した部分が未納となっている場合、優先的破産債権となります(破産法98条1項)。

具体的納期限から破産手続開始決定日まで1年以上経過していない部分について、破産手続開始年度の分は、一般の財団債権となります(破産法148条1項3号)。

破産手続開始決定日以降の年度に生じる固定資産税は、「破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権」となり、優先する財団債権となります(破産法148条1項2号、152条2項)

 

3 具体例

以上を前提に、令和5年度中に、破産手続開始決定がなされ、令和6年1月1日が到来した固定資産税の場合を例に説明します。

この場合、令和5年度の固定資産税の未払いがあれば破産法148条1項3号の財団債権となり、令和6年度の固定資産税は全額148条1項2号の財団債権となります。そして、2号の財団債権が3号のそれより優先するので(破産法152条2項)、破産管財人は令和6年度分を令和5年度分よりも優先して支払うことになります。

 

3 自動車税

自動車税は、毎年4月1日現在の所有者が納税義務を負います(地方税法145条など)。
破産手続上の扱いは、2と同じになります。

 

4 最後に

破産手続と租税等について説明しました。破産手続の一般的なことは関連記事をご参照ください。

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