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コラム:過失割合と実況見分調書

2024.03.01
1 はじめに

人身事故の場合、警察作成の実況見分調書が過失割合を決する際、重要な証拠となります。そのため、実況見分調書に自身に不利な記載が書かれた場合、訴訟において実況見分調書は不正確であったと主張したとしても、裁判所はその主張を受け入れることはまずないと思われます。

以下、東京高判令和4年5月31日(自動車保険ジャーナル2130号)を紹介します。

 

2 東京高判令和4年5月31日
1 高裁での新たな主張

①甲立会いの下で作成された実況見分調書は、甲の指示説明の内容が不正確である。

②甲は、警察にその旨を指摘した際、再度、乙と一緒に実況見分をする必要があると言われ、乙に対し恐怖感を抱いていたことから是正を諦めたのであり、上記実況見分調書を事実認定に用いるべきではない。

 

2 裁判所の判断

①について「・・実況見分調書が、本件事故の記憶が最も鮮明であった本件事故直後の控訴人の指示説明に基づいて作成されたものであり、これに反する控訴人の供述を直ちに信用することができない・・」。

②について「上記主張は、本件事故直後の実況見分における指示説明の信用性を疑わせるものではない。」

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