1 はじめに
事故車両の事故前の速度が制限速度を超過している場合、制限速度遵守義務を怠ったとして過失が認められます。ドライブレコーダーや目撃者がいる場合は速度超過があったかを認定することができる場合がありますが、それらがない場合は事実認定がより困難となり、物証により判断せざるを得ません。
今回は、自動二輪車が制限速度を超える走行をしていたかが争点の一つとなった裁判例である東京地判令和3年6月25日(自動車保険ジャーナル2022号掲載)を紹介します。
2 事実関係
1 物証について
裁判所は実況見分調書より次の事実関係を認定しています。
・原告二輪は、被告原付と衝突した地点から37.4m進んだ道路左側で停止した。
・衝突地点から停止地点の37.4mにわたりラジエータ液の流出痕があった。
・衝突地点から約7m進んだ地点まで不連続な擦過痕があった。
2 裁判所の判断
裁判所は、上記の事実関係を前提に次のとおり判断しました。
「・・・衝突から転倒までの間に約7m進行したことや、その後の不連続な擦過痕が約30mにわたって印象されていることからすると、原告二輪の本件事故前の速度は制限速度時速40kmを超過していたと認められる。」
3 最後に
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