1 はじめに
交通事故被害者が警察の捜査に協力するために遠方の警察署まで出向いた場合、その往復交通費を加害者に対して請求できるかが問題となります。
というのも、警察への協力義務は刑事訴訟法223条1項及び道路交通法等に基づくものであり、本件事故に起因する独自の損害費目とはならない、とも考えられるからです。
この問題について裁判例の多数は否定的ですが、肯定する裁判例もありますので、以下、紹介していきます。
2 裁判例
1 大阪地判平成31年2月27日
「原告は、平成27年9月26日、静岡県警との往復のために交通費合計1万6790円の支出をしたことが認められ、これは本件事故がなければ発生しなかった支出であるから、本件事故と相当因果関係のある損害と認める。」
2 名古屋地判令和3年4月7日
「交通事故において一定の捜査が行われることは通常のことであり、原告が本件事故に遇わなければ、同警察署への出頭も必要なかった」として、警察署までの交通費の支出と事故と間に相当因果関係ありとしました。
3 最後に
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