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コラム:児童ポルノ法について

2024.01.05
1 はじめに

18歳に満たない者(児童)に自身の裸体等の写真や動画を撮影させる行為は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(略して「児童ポルノ法」)第7条4項の単純製造罪に該当する可能性があります。
以下、単純製造罪についての内容と保護法益について説明していきます。

 

2 条文

児童ポルノ法7条4項によれば、「自己の性的好奇心を満たす目的で」、「児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者」は、「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。」とされています。

 

3 保護法益

児童ポルノ法における保護法益は、個人的法益説(後述の青部分)、社会的法益説(後述の赤部分)、混合説と諸説あります。立案者、多くの裁判例は混合説を採っています(家庭の法と裁判32号20頁以下)。

混合説は具体的には次のような考え方になります。
「児童ポルノ提供等の罪は、児童ポルノを他人提供等する行為が、児童ポルノに描写された児童の心身に有害な影響を与えるのみならず、このような行為が社会に広がるときは、児童を性欲の対象としてとらえる風潮を助長することになるとともに、身体的及び精神的に未熟である児童一般の心身の成長に重大な影響を与えるといった点に着目して処罰するもの」(東京高判平成29年1月24日など)

混合説の場合、個別具体的な事案で解釈が問題となった場合、個人的法益と社会的法益のいずれを重視するかによって解釈が変わることになります。

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