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コラム:個人再生認可決定後の自己破産

2024.03.01
1 はじめに

小規模個人再生申立てを行い、開始決定、付議決定、認可決定を経て、いざ再生計画案に基づき返済しようとした矢先に、病気を患い、収入が途絶えてしまった場合について御紹介します。

 

2 相談例

私はサラ金や銀行ローンから借入れがあり、負債の合計は400万になります。私は、当時、警備員として働いており、自己破産すれば復権するまで警備職に従事することができないため、自己破産手続申立てを断念し、小規模個人再生申立てをすることになりました。

私の場合、預貯金など財産はほとんどなかったため、再生計画に基づく返済額は最低弁済額の100万円となりました。これについて3年で完済する再生計画案を作成し、同計画案について付議決定を経て、無事、認可決定を得ることができました。認可決定が確定して2か月後が第1回目の返済となっていましたが、その1か月半ほど前、原因不明の病に侵され、働くことができなくなり、警備職も辞めざるを得なくなりました。

第1回目の返済はあと1か月半後に迫っていますが、今の私の現状からすれば、とても払うことができません。そこで、改めて自己破産手続を申し立てることができるでしょうか。なお、現時点で、私にはめぼしい財産は一切ありません。

 

3 自己破産申立て可能

いったん小規模個人再生を申し立てて、再生計画案について認可決定をもらった場合でも、その後、事情変更により返済することができなくなった場合、自己破産手続申立てをすることはできます。上記と類似の事例では、無事、破産手続は同時廃止となり、免責決定を得ることができました。

なお、民事再生法190条によれば、「再生計画の履行完了前に、再生債務者について破産手続開始の決定・・がされた場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない」となっています。

例えばA社の再生債権が200万円、再生計画案の免除率は80%だった場合、「再生計画によって変更された再生債権」は40万円となります。そして、破産手続開始決定がなされた場合、民事再生法190条に基づき、40万円が200万円(原状)に復することになります。

 

4 最後に

以上、個人再生認可決定後の自己破産について説明しました。自己破産について一般的なことは関連記事をご参照ください。

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