1 はじめに
個人事業主や法人が破産手続開始決定後も事業を継続する場合としては、破産管財人が裁判所の許可を得て行う場合があります。
すなわち、破産法36条によれば、「破産手続開始の決定がされた後であっても、破産管財人は、裁判所の許可を得て、破産者の事業を継続することができる」と定められています。
2 事業継続は特殊な場合
もっとも、破産管財人による事業継続は、破産財団が事業継続に伴って発生した損失を負担することになるので行わないのが原則となります。そのため、開始決定後の事業継続が許可されるのは、例えば破産財団の増殖が期待できるときなど例外的な場合で、かつ事業継続の期間はごく短期間とされています。
具体的には、①事業を存続させなければ、多額の違約金が発生して破産財団に損害が発生する場合、②完成間近の仕掛け工事があり、わずかな負担によって完成させることで多額の財団増殖につながる場合、③破産手続開始決定後、直ちに事業を停止すると、大きな社会的影響が生ずる場合、④事業譲渡を行うことができる見込みが高い場合とされています(はい6民です お答えします(倒産実務Q&A)第2版89頁)
3 最後に
以上、破産管財人による事業継続について説明しました。自己破産については関連記事をご参照ください。
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