1 はじめに
破産者が、破産申立時点で、遺産分割未了の遺産を共有していたとします。この場合、破産者は当該遺産について共有持分を有することになるので、破産管財人は共有持分を換価することになりまします。以下では、共有持分の換価方法について説明していきます。
2 遺産分割協議
破産管財人は、破産者以外の共同相続人との間で、遺産分割協議を行い、破産者の共有持分を換価することになります。遺産分割の方法としては、代償分割が基本となります。
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3 その他の換価方法
1 はじめに
このように破産管財人は遺産分割協議(代償分割)により破産者の共有持分を換価していくことになりますが、協議が難航するなどして、破産手続が長期化するおそれがある場合、他の換価方法を検討することになります。
2 相続分の譲渡
1つ目としては、他の相続人に対して破産者の相続分を有償譲渡する方法になります。
この方法は、前提として、他の相続人が破産管財人に代金を支払う能力があることが前提となります。
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✔相続分の譲渡に関する解説記事はこちら▶コラム:相続分の譲渡と放棄
3 破産者による財産組入れ
2つ目としては、相続分の評価額に相当する金銭を破産者から破産財団に組み入れてもらうことで相続分を放棄する方法もあります。
過去に扱った事例では、破産者と他の相続人が長年疎遠であり、他の相続人に迷惑をかけることができないということで、最終的に2つ目の方法がとられることになりました。
4 最後に
以上、遺産分割未了で破産手続が開始された場合について説明しました。破産の一般的なことについては関連記事もご参照ください。
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