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コラム:物損事故で保険を使ったほうがよい場合

2024.01.25
1 はじめに

物損事故で、当事者双方に過失がある場合、保険(車両保険・対物保険)を使うべきか、それとも使わずに自己負担するべきか検討することになります。自己負担額が保険料増額分を上回る場合は保険を使った方がよいことになります。以下では、具体例な事例を用いて説明していきます。

 

2 具体例
1 事例

甲の損害(修理費用のみ)は3万円、乙の損害(修理費用のみ)は10万円、過失割合は甲70%、乙30%だったとします。

 

2 甲の場合

甲は、乙に対し、7万円(10万円の70%)を支払わなければなりません。

また、甲は、自身の損害3万円について、乙から9千円(3万円の30%)の支払いを受けることになります。つまり、甲は、2万1千円(3万円-9千円)を自己負担することになります。

結局のところ、甲は、自身の損害を回復するために2万1千円を要し、乙の損害について7万円を支払うことになるので、合計9万1千円を負担することになります。

ここで、甲は、自身の保険を使うことにより、2万1千円は車両保険から、7万円は対物保険から、それぞれ支払われることになります。

甲が自身の保険を使った場合、翌年以降の保険料が増額することになります。この保険料増額分>9万1千円となれば、保険を使わないほうがよいことになります。

 

3 乙の場合

乙は、甲に対し、9千円(3万円の30%)を支払うことになります。

また、乙は、自身の損害10万円について、乙から7万円(10万円の70%)を受け取ることになります。つまり、乙は、3万円(10万円-7万円)を自己負担することになります。

結局のところ、乙は、自身の損害を回復するために3万円を要し、甲の損害について9千円を支払うことになるので、合計3万9千円を負担することになります。

乙の場合、保険を使うとなれば、保険料増額分>3万9千円となるでしょう。そのため、保険を使わない方がよいということになります。

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